裏のまた裏話

あえて3Pの物足りない点を語る

どもども。今日の巨人は凄い試合でしたね。今季初の二桁得点嬉しい。

でも今回は下書きも完成させてたし久々にアニメの話です。

 

昨日、3Pアニメの4話が放送されましたね。

原作も1巻だけ読んだことがあるのですが、アニメではこの4話までがちょうど原作1巻の内容でした。

 

1話を見た時にこのブログでも感想を書いたし、2話以降も書くつもりで「書きたいな~」なんてことも書いてましたが、結局2話、3話と書きませんでしたね。

まあ見ながらTwitterで実況してるので言いたいこと出し切っちゃってるというのもあるし、そんな面白いこと書けないだろうなってのもあります。

 

あとアニメの感想ブログって、キャプチャ画像貼られてたりするじゃないですか。たぶん感想ブログを訪れる人の中にはそのキャプチャ目当てに来る人もいくらかいると思うんです。「あのシーン可愛かったな、画像欲しい~」みたいな。

でも僕はキャプチャ画像貼れませんし、例えば3Pの2話の感想をブログに書いたとして、「3P 2話」とかで検索して偶然このブログに来た人の期待を裏切りかねないわけですよ。

そんなこともあって、書きたいことがまとまっている場合は別ですが、見たアニメの感想を毎回書くのはいいかなあという感じです。

 

ただ今回は、今季唯一見ているロリ&ポップな3Pが一区切りということなので色々書きたいと思います。タイトル通り、「物足りない点」が中心ですが…。

この先3Pと『ロウきゅーぶ!』の内容に触れながら書いていくことになるので、ネタバレが嫌な人は避けてね。 

3Pが物語として成立するための条件

4話までが3Pアニメの序章なわけですが、序章の目的はズバリ「小学生トリオにとって大切な場所でライブを開催すること」です。

ただライブを開催するだけでは物語として成立しないので、開催までの壁があります。それが集客

 

小学生たちは何もプロではないので、アイドルアニメよろしく集客のための大掛かりなプロモーションが必要なわけではありません。

手っ取り早い方法は学校の友達を誘うことです。主人公である引きこもりの高校生・響くんもそれを提案します。

 

しかし、小学生たちは同じ学校の子供たちと距離を取っていて孤立している。誘うこともしたがりません。

そこで小学生たちと響くんは駅前でビラ配りを行い、宣伝することに。けれども道行く人々に受け取ってもらえず、宣伝は進まない。このままだと客が来なくてライブができない、どうしよう。

 

以上が4話までのあらすじになります。

ライブを開催しようというストーリーは、アイドルものやもっと本格的に成り上がりを目指すバンドを描いた物語なら別かもしれませんが、今回はもっともっと小規模なものです。

原作者蒼山サグ先生の前作『ロウきゅーぶ!』における廃部の危機を乗り越えようという方が(使い古されたテンプレートではあるけど)わかりやすく、見ている側も感情移入しやすいストーリーです。

だから3Pにおいては「外から見れば小規模な問題を見ている人にとっても重大なものにできるか」と「その問題を解決した時に、当人たちが感じる喜びを見ている人たちにも伝えられるか」がポイントになります。

 

前者はさほど重大な問題ではないかもしれません。

主人公はともかく、実際にバンドを組んでライブを行う女子小学生が可愛い。割とこの事実で乗り切れる問題です。

可愛い女の子たちが困っている、これはマズいな、とこのアニメを見ようという気を持っているロリコン人たちなら思いやすいでしょう。

まあ僕は『ロウきゅーぶ!』ほど感情移入できねえなあとも思うのですが…。

 

問題は後者。これは「主人公たちが問題をどう解決するか」ということを描き、その頑張りに感情移入させることができれば解決できる問題と言えます。

 

で、どう解決するのかと端的に言ってしまえば、響くんは「やっぱり学校の人を誘わせる」という方法を選択します。

まあ妥当でしょう。ただ、僕はこの解決に「物語としての弱点」みたいなものを感じるのです。

 

劇的さがなく物足りない

 それが何かって、劇的さを感じないわけですね。

ロウきゅーぶ!』では初心者中心の女子小学生バスケ部で男子に勝つために「男子と対抗しうる実力を持ったエース以外にはドリブルさせない」とか「初心者でも得点を奪えるよう同じ角度からのシュートだけ集中的に練習させておく」とか、様々な策を駆使するわけです。僕がバスケに詳しくないからこそというのもあるかもしれませんが、これは熱い。『ロウきゅーぶ!』の1巻は女子小学生たちの危機とそれの乗り越え方、そこに主人公の境遇も重なり、素晴らしいストーリーに仕上がっています。

 

何も必ず劇的さが必要ではありません。3Pはわかりやすいスポ根みたいな熱さを求める題材でもないですし。

ただ、実際に問題を解決した時の達成感は欲しい。それを伝えられなければ作品のメッセージが空虚になってしまいます。

そのために今回なら「学校の人を誘わせるために具体的に何をするか」が重要になります。

 

どうにかバンドの小学生トリオに誘うことを勧めるしかないのですが、保護者である正義さんや姉のような存在の桜花ちゃんは彼女たちを思いすぎることもあり、本人たちが嫌がっている方法を勧められない。

だから部外者の響くんがやるしかない。しかし、現状のままでは響くんは勧めることができません。前述の通り彼は引きこもり。彼もまた、人との関わりを避けてきた人物なのです。

 

それでも、愛しい小学生たちのため、響くんはある決断を下します。当然、この「決断」というのが物語の鍵になる。

 

決断した響くんは、入学以来一度も行ったことのない学校へ向かいます。愛用のギターも一緒です。

自分の教室へ入った響くんは、1曲歌わせてほしいという。その曲を少しでもいいと思ったらライブに来てほしい。そうして響くんは勇気を出して踏み入れた教室で、勇気を出して1曲歌い終えました。

 

この彼の覚悟が小学生たちにも伝わり、彼女たちは学校の人を誘うことを決心、見事に成功。

ライブ当日は誘った小学生たちや響くんのクラスメートたちも訪れ大盛況。見事に問題を解決してめでたしめでたしとなりました。

 

しかし、どうも僕は達成感が薄く感じる。『ロウきゅーぶ!』のアニメ…を見た時の感想は忘れちゃったけど、原作を読んだ時の達成感はこんなものじゃなかった。

そりゃ題材の違いもあるし、違う作品をやたらと比較するものではないかもしれないけど、何か物足りない気がする。

 

具体的に何が物足りなかったのかまとめてみたいなと思います。

 

解決すべき「響の問題」について

1~3話までの問題に対する解決編となった4話は、「響にとっての解決」がメインでした。

小学生たちはちゃんと学校の人を誘ったわけですが、本人たちから結果が述べられるだけで、誘う描写がないですしね。

 

その「響にとっての解決」とは、人との関わりを恐れず逃げないということ。

ただ、これが僕にとっては感情移入しにくいものでした。

 

もちろん、今回の響くんの行動は本人にとってはものすごい勇気がいる行動だったでしょう。現実にも、学校に行かなきゃという気持ちを持ちながらも、怖さに打ち勝てず苦しんでいる方々がいることだと思います。その方々にとっても「学校へ行く」というのはとてつもない一大決心でしょう。まして「その上で1曲弾き語りする」なんて半端なことではない。

 

ただ、これはフィクションに対する話ということもあるので、誤解を恐れずに言うと一般性がない。高校時代に引きこもりでなかった僕からすると、そこに感情移入することは難しい。恐らくこのアニメを見ている人の多くは響くんとは違う境遇(学校に通って友達もいる)だと思うので、一般性を見出すことは難しいと思います。

その一般性のなさを補うためにも響くんの葛藤を描くとか、もっと彼の問題を見ている人にも共感させられるような工夫が必要だったのではないか、と思います。

まあ尺の問題はもちろん、あんまり鬱々としたものを描きすぎても作品の雰囲気に合わないとか、そもそも僕の感受性の問題だとかもあるんでしょうけど…。

 

一応ストーリー上の工夫として、響くんが引きこもるようになった理由を描いた点が挙げられるでしょう。

彼は中学生の時に授業で自作の詩を発表したのですが、非常に素晴らしい出来栄えながら、周囲の同世代の人たちにとっては思わず馬鹿にしてしまいたくなるような、堂々と読むには恥ずかしいものでした。

そのことから響くんは周囲の人たちから馬鹿にされるようになり、学校へ行くことに恐怖を感じるようになってしまいます。周囲の全ての人々が自分を馬鹿にしているように感じている描写もありましたね。

 

うーん、ただこれも何というか。僕が響くんみたいな経験をしたことがないから平和ボケして感情移入できないだけなのかもしれませんけどね。

どちらにせよ、今回の響くんの決心を重大なものに感じさせるには足りていなかった気がします。

 

期待するのが『ロウきゅーぶ!』だったというのもあるんでしょうけどね。

主人公の昴くんが置かれた状況はあまりに理不尽なもので、その理不尽さに腐る彼の描写も良かった。それがあってこそ、小学生との出会いから情熱を取り戻していくストーリーが魅力的になるんですよね。『ロウきゅーぶ!』のこともめっちゃ語りたいですが、まあそのへんは実際に原作を読んでいただければなと。

 

ともかく、「響くんの問題」がメインだった割に、1話から続けてきたその問題の描写は弱かったような感じがします。

 

解決すべき「小学生たちの問題」について

ともあれ、響くんの解決に触発され、小学生たちも人との関わりから逃げず向き合うことになりました。

彼女たちの問題もまた「人との関わりに向き合う」ということなのですね。この作品の4話までにおけるテーマとも言えるでしょう。

 

まず、彼女たちはどうして人との関わりを避けるようになったのか。

これについては桜花ちゃんが語っています。「自分にとっての大切な場所を馬鹿にされるのが怖くて人との関わりを避けていた自分に影響されているのではないか」と。

 

理解はできる話です。桜花ちゃんは以前、「自分は普通に接していてほしくても、周りからは特別扱いされて同情される」という話もしていました。

桜花ちゃんや小学生たちが住む児童養護施設「リトルウイング」は彼女たちにとって大切な場所なだけに、その場所を馬鹿にされたり、自分たちを憐れむ材料にされたりすることは避けたかったのでしょう。

 

ただ、そのこと自体は理解できるのですが、あの3人の性格的にそんなに強い恐怖を感じてしまうものなのか?と。まあこれを偏見と呼ぶわけで、フィクションに対する話だからこそできるわけですけど。

確かに彼女たちはリトルウイングを馬鹿にされることを恐れている。1話で響くんが訪れた時にもその描写がありました。

それでも、そこまで人を信じられず、リトルウイングに自信を持てないのかというのはやはり疑問。もちろん桜花ちゃんの影響もあるでしょう。

でも、そこに納得すると響くんとの交流にも無理があるように思います。それが響くんの音楽の力なのかもしれないけど(ラノベの主人公力ということで納得することはあまりしたくない)。

 

ともかく、小学生たちは響くんがリトルウイングを褒めてくれたことを嬉しく感じ、彼を受け入れた。そして、その彼のアドバイスを受けて小学生たちは学校の人たちをライブに誘います。

 

そのアドバイスというのが「馬鹿にされることを恐れるんじゃなくて、自分たちが感じているようにここを素敵な場所だと感じてもらおう」というものだったんですが、これだったら正義さんにも可能だよなと。

だから響くんが言わなければならないことや、このタイミングでなかったことの必然性を感じない。結局学校の人を誘う直接の描写がなかったこともあって、「小学生たちの問題」も解決が弱いなという印象でした。

 

なんだかんだ言ったけど3Pは素晴らしい

4話までだと結局、作品中の「問題の解決」に物足りなさがあったなと思います。

ロウきゅーぶ!』だとバスケの試合が少女たちの問題解決の手段ですが、その試合にあたる部分が3Pではライブ。ただ、展開上ライブは登場人物たちの問題を解決し終えた先にあるものなので、歌も絵も素晴らしかったけど達成感が少なくなっちゃったかなという気がします。

 

でもこれは着眼点の問題なんですよね。

ここまでストーリーにおける問題の解決という着眼点で散々語っておいてアレですが、3Pでは小学生の可愛さを楽しむべきです。

 

可愛さの表現には余念がないし、バンドもののアニメだけあって楽曲も素晴らしい。そのあたりに注目してみると最高のアニメですよ。まったく、小学生は最高だぜ!

 

というわけで次回以降も楽しみにしています。2巻から先は読んだことがないのでストーリーもわからないし楽しみです。

 

今回はこのへんで。皆さんも良かったら可愛い小学生に癒される3Pをぜひ!

ではでは~。